君が自由であること。

アナと雪の女王観て来た。人を受け入れるということは、自分を受け入れることだと感じた。

以下、ネタバレ感想。

エルサが人を傷付けることをおそれ氷の城に逃げ込んで、ありのままの姿見せるのよ、という歌を歌ったときの意味と、物語の一番最後でエルサがアナたちや周りの大切な人達を受け入れて自在に氷をあやつってからのエンディングで聴こえて来た、ありのままの姿見せるのよ、の歌の意味は、どこか違って聴こえた。

エルサが氷の山に逃げ込んで、今まで自分の中で忌ま忌ましく抑えこんでいた、力を解放し、自分だけの氷の城を作ったとき、よかったね…自由になれて…と涙腺がゆるんだことは事実だが、でもそのよかったね…には、どこかさびしさもある気がしてて。結局、エルサは人を傷付けたくなくて、アナたち大切な人達を傷付けたくなくて自分だけの城にこもった訳だけど、自分を思って訪ねて来てくれた妹のアナを、「あなたを傷付けたくない」という理由で拒んで、追い返してしまった。その時点で、エルサは確かに力に対しては自由になったけど、人をまだ、受け入れられていなかった。最初、抑えていた力が暴発しないために、魔法の力で人を傷付けてしまわないように、人を拒んで避けていたエルサだったけど、解放されても尚、心は人を拒んでいた。たぶん、自分の力が人や周りを凍らせるのと同時に、自分の心があの時(幼少期にアナを傷付けた時)から凍ったままだったのだろう。

でも最後、エルサを守るためにアナがハンスの剣を受け止めて氷の像になったのを目の当たりにして、エルサはアナを心から思って抱きしめる。その瞬間に、アナの身体を覆っていた氷は溶け、周囲の雪の国だった景色の氷も溶け始めた。
真実の愛は氷を溶かす−。そうオラフが言ったように、エルサが人を心から思い、自分を受け入れてくれる人を受け入れたからだ。

人に受け入れられ、人を受け入れ、自分を受け止めることができたエルサが、最後、自分が今まで罪と感じ抑えて来た魔法の力で周りの人々を喜ばせるものたちをつくる。
その時のエルサの表情は、とても自由で。軽やかで。
そのエンディングのシーンからのエンドロールの歌、ありのままの姿見せるのよ、は、中盤の氷の城に逃げ込んだときのエルサが歌うウタとは違い、本当に心底自分の持つ力を、自分を受け入れることができた人の喜びや活力を力強くうたった歌に聴こえた。

真実の愛は氷を溶かす−。それは、アナや国の氷だけでなく、エルサの心の氷のダブルミーニングだったのか…と。姉妹の話でいて、エルサの凍った心を溶かす物語だったのかなぁ。

人を受け入れることが、自分を受け入れることにつながるんじゃないかとそう思う。

そんな風に感じた。<<番外編>>
人を受け入れることが、自分を受け入れることにつながるんじゃないかの件について。
恋や愛やのお話についても、自分のことがどれだけイヤだと思っていても、相手が、それでも好きだよ、君のそういうとこが好きだよ、とずっと言い続けてくれていたなら、自分がいつしかその相手を受け入れたとき、それは今まできらっていたはずの自分自身でさえも、受け入れられたということになるんじゃないかと。

あとその人の個性を大切にするという意味で。子供や人を育てるなら…ってこと考えると、やっぱり無理に抑え付けるのでなく、ありのまま伸び伸びといさせてあげる環境をつくることが、その人のためになると思った。