ミラノサローネ。

家の台所の照明が古くなって、新しいものに取り換えたら、本当に新しい家に生まれ変わったようで、劇的ビフォーアフター加藤みどりさんのナレーションが「なんということでしょう」と聴こえて来そうなぐらいの生まれ変わりっぷりで、その照明ひとつでこんなに居住者の感じる心地が変わるのか、と大変驚いたとともに身近な小さなことながら感動した。
その前に、部屋の照明も最近調子がわるく少し暗くなっていたので、蛍光灯からLEDシーリングライト(調光が出来る)に付け替えたら、電球色にするとだいぶ心が落ち着いて、今までの照明の感じと部屋にいるときの心地がだいぶ違って来ていて、びっくりすると同時に便利になった世の中に有り難さを感じた。空間の演出され方が変わると、ここまでひとの気分に影響を及ぼすのか。
そう言えば、年末に行ったおれパラでも、鈴村さんがある曲を歌っているときの照明の演出が、白の光が紺の周囲をバックに鈴村さん本人を中心にうずをまくようにして舞台に沈んで行く演出で、とても印象的できれいだったり、いろいろと照明の演出がつくる空間や可能性に心動かされた機会が多かったなぁと思った。

メーカーに入ったのは、消えてしまうものでは無く、確かなもの、確かに確固と「此処」に残るものをつくりたかったからだった。残らないと不安だし。そう思っていた。それを基準で選んでいた。
昔から、ハッキリと、「0」か「1」か。シロクロ付かないと気持ちが悪くていやだった。でも、そうじゃなかったということだろうか。(空間をつくる。)もっと感覚的なもの。それでもよかったということだろうか。

お金を稼ぐ。イラレを学ぶ。手足を生やす。その後は。

最近、思う。人生は結局、一度きりしかなくて、たぶんこのまま年だけを重ねて行ったら何も無くなる。戻れないし、何もできなくなる。「ああ…何もできなかったなぁ…」と病床で自分の一生を振り返る。どうにもならないなら、自由にやった方がいいよ。